青天白日

フランス語では、”Coupe du monde”という。

サッカーのワールドカップのことだ。


パリ滞在中の2006年6月から7月にかけて、フランスの隣国ドイツで、ワールドカップが開催された。

 

フランスは植民地からの移民を受け入れてきたし、パリは更に国際都市だ。

あの部屋からはスペイン語の雄叫び、こっちの窓にはクロアチアの旗が振られと、ゴールが決まる度に歓声が轟いた。

自分のところだけでなく、向かいや隣のアパルトマンの、どこの部屋にどの国の人が住んでいるかわかるほどだった。

 

私はマレにできた新しいカフェのテレビで、日本代表を応援した。

ジーコ監督率いる日本代表の前評判は上々だった。

近所のイタリア料理屋でも、「日本はナカータがいるから強いよ」と、デル・ピエロ似の給仕係に太鼓判をおされたのに、グループリーグ最下位。残念だった。

 

決勝はフランス対イタリア。パリは、異様な熱気に包まれた。

が、PKで雌雄が決すると、一転、静まり返り、そして少しずつ嘆息が漏れた。

翌日、パリにはこんなにイタリア人がいるのかと思うほど、イタリア国旗が誇らしげに舞っていた。

 

今日、夏空に翻る日章旗が美しかった。

明日は、また梅雨空にもどるらしい。

私が、他国の人のように、国旗を大切にしなければと考えるようになったのは、そう古い話ではない。

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