5月2日の考え
そもそも現代演劇は、反権力・反体制が原点です。私もそうでした。今も、ほとんどの演劇人は、反体制を標榜しています。一方で、教師に従順な優等生が多いのも日本の演劇人の特徴です。意外と素直というか愚直という印象があります。
そのせいか、時代の変化に応じて、価値観をアップデートできる人は少数。特に、学生運動に青春を費やした世代や、その世代に影響を受けた演劇人は、終生一貫しています。やめられないのでしょう。喫煙者が多いのも特徴です。
フランスは、ミッテラン大統領の時代だったでしょうか。芸術は一部の特権階級のものではなく、水や電気と同様に、庶民も等しく享受できるべきと、その価値を大きく転換させました。そして、芸術はインフラと同等なわけですから、芸術を生む人々、つまり芸術家は厚遇されています。それは、素直に羨ましい施策です。芸術は製作過程にお金がかかるものですから。
私が製作に加わった映画は、どれも企画の段階で頓挫してしまいました。何故なら、第一稿、第二稿と、台本が完成に近づくに連れ、内容が偏向していくからです。お察しの通り、反日映画の製作を後押しする国があり、演劇界の一部は、あるいは芸能界は、そういう勢力とつながっています。
パリ滞在経験があるので、再びフランスの例をお許しいただきたいのですが、お洒落な国と思われることは、フランスの国益にかなっています。下地があるにせよ、20世紀にファッション界を牽引したシャネルやサンローラン、そして、ヌーヴェルヴァーグと呼ばれる、正に新しい波を起こしたゴダール、トリュフォーなどの映画作家のお陰です。
韓国のアイドルに憧れる日本の若者がいます。韓国は徴兵制の残る国ですが、韓国のアイドルは、その大きな戦力です。日本の若者をその信者にしてしまうのですから。外貨を稼ぐ以上の働きと言えます。
私は、歌舞伎以外の日本の演劇界も、もっと世界に発信すべきだと考えています。ところが、日本の演劇界は、日本の魅力を世界に発信するどころか、むしろ、自国を貶めるような表現に偏りがちです。演劇界も、愛知県の芸術祭のようなことになっているのです。
かような背景であるにもかかわらず、この国家的危機に、演劇人が文化の重要性を訴えたところで、人々の反発を食らうのは必至でしょう。演劇人たちが、謙虚に、ただただ人々の心に滲み入る作品を作ろうという姿勢でいたなら、反応はもっとちがっただろうにと残念に思います。
今、日本の魅力を発信している日本の文化は、アニメです。それ故、アニメの世界も、日本を貶める勢力に狙われているのは確かです。
文化や芸術は、別の意味で守られるべきなのです。
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