音楽と生命
高校生の頃、音楽が必要だった。現実逃避のためだ。
放課後、鹿児島市の繁華街にあるレコード屋(十字屋といった)へ走る。YMOの赤い人民服のレコードジャケットに、なんというセンスだと驚愕。自転車の前かごにつっこみ、ワクワクしながら帰宅した。
『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』はいなかの高校生の現実逃避に特に有効だった。
俳優になり『戦場のメリークリスマス』(1983年)は歌舞伎町で、『ラストエンペラー』(1987年)は渋谷の東急文化会館(パンテオン)で俳優の視点で観た。その前後、帝国劇場でご一緒した金田龍之介さん(『戦場のメリークリスマス』にご出演)に、撮影のエピソードを伺ったはずだが、どんな話だったか。記憶力の悪さが悔やまれる。
帝国劇場の公演後、俳優で食べていくのは大変と、2年ほど音楽制作会社に勤める。会社はYMOが所属するアルファレコードと取引があったので、YMOの未発表の音源などを聴く機会があった。流行の最先端にいるような気がした。夜な夜な三宿あたりを飲み歩き、都会人気取りだった。
さて我が家では旧暦でお雛様を祀るので、先ほど雛人形を片付けたばかり。坂本龍一さんの『音楽図鑑』を聴きながらである。
世界のSakamotoの名曲も、誰かの青春を彩る一曲だったりする。
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